ワンピースオブロック 大戦モデル種類の違いや時代背景の解説

昨今大人気のデニムブランド
ワンピースオブロック
→ワンピースオブロックの魅力解説
→ワンピースオブロック購入方法
→ワンピースオブロックHP

そんなワンピースオブロックの中でも
1番人気のあるモデルが
小中さんが作る
Sシリーズ

さらにSシリーズの中でも人気なのが
大戦モデルのラインナップです

大戦モデルと言っても
種類が複数あります
使われる生地はほぼ同じなのですが
どれも細かなディテールが異なり
時代背景、生産工場、縫製使用の異なる4モデルがあります

そんな4モデルを
さらに理解し楽しむため
解説を簡単にさせていただきます

これでさらに大戦モデルへの
知識や興味関心を
高めてもらえると嬉しいです

目次
・品番の意味
・大戦生地
・戦争の影響による工場時代背景
・工場の増設事情
・大戦モデルの種類説明
・サンフランシスコ
・サンノゼ
・サンタクルーズ
・バレーホ
・各モデルの違いは超マニアック



・品番の意味

大戦モデルの品番は
パンツの場合 「S409XXX M-WW2」
ジャケットの場合 「S406XXX M-WW2 」
となっています

さらにこの品番の後に
「San Francisco」とか
「Santa Cruz」といった地名が続きます

順番に説明します

まず品番の

「S」とは
「スペシャル」の略で
小中さんが製作する作品につく品番で
Sシリーズと言われます
リーバイスオリジナルヴィンテージ501の大戦モデルにつく簡略化のSとは違う意味です

「409」とは
直営店であり同会社でもある
「フォーティーナイナーズ」
(ゴールドラッシュのフォーティーナイナーから命名)
→フォーティーナイナーについての説明のある過去記事(リーバイストラウス紹介)
の「4」と「9」という数字と
モデルになっている
リーバイス「501」を
合わせた品番で
「409」
と命名されています

ジャケットの「406」は
モデルになっている
リーバイスの「506」の
「6」だけをパクって
「49」の「4」をあわせて
「406」と命名されています

「XXX」とは
モデルになっているリーバイスの「501XX」「506XX」
の最高品質を意味する「XX」を超える
という思いを込めて「X」を一つプラスした
「XXX」と名付けられています

「M」とは
「manufacturing」の略です
直訳すると「製造」ですが
これには研究して作るといった意味合いのある単語のため
なんだか意味深に感じてしまいます
大量のヴィンテージを見て考え抜いた
小中さんにぴったりの「M」だと思っています



「WW2」とは
第二次世界大戦(World War II)1942−1945年のことです
大戦モデルを意味することですが
他品番では「37」「46」「47」などモデルになった年代がつくので
唯一数字ではなく
期間を表す品番になっています

最後につく
「San Francisco」とか「Santa Cruz」
といった地名は

当時ヴィンテージが生産されていた
工場の場所(プラント)のことです

当時複数の工場で生産せれており
ヴィンテージでも工場ごとに
縫製使用の違いや
様々な特徴のある個体が確認されています
それらをモデルに
研究し作られた作品
という意味があります

気をつけたほうが良いのは
その工場で生産されたヴィンテージが
全てワンピースオブロックと同じような使用であった訳ではありません

あくまでも
その工場で生産された個体のなかで
そういうディテールの個体が確認されている
ということです

これらのモデルの違いは
後ほど詳しく説明します



・大戦生地

まず使われている生地について簡単に説明します

13.5ozの生機デニム
第二次世界大戦中に生産されていたジーンズに使われていたデニム生地をもとに
デニムの名産地岡山で作られたデニム生地

噂では
グラフゼロとか岡本的スタイルに生地を別注して生産をしてもらっている
という情報も聞いたことがありますが
真実は知りません

インディゴデニムの中でも
かなり濃い色味のインディゴカラーになっています

ムラ感も強めの荒々しさの感じれる生地になっています

実際に戦争中に使用されていたデニム生地も13.5ozだとされています

有名な話で戦争前は
もっと軽い生地で10〜125oz程度だったと言われており

戦争の物資節約のため
軽い生地にするように命令されたところを
リーバイスが猛反対して
逆に重たい丈夫な生地に変更された
というエピソードのある13.5oz生地です

生地のムラが激しいのも
戦争中で生産体制が十分では無かったために生まれたものです
それが今になると
「過去最高のデニム生地だ」
と言うデニムファンも多い
大人気のデニムなのです

戦争が終わった後も
この13.5ozというのは継続なのですが
生産体制が整っていくにつれて
生地のムラは整い
インディゴの色味も青味がでてきます
それが
ワンピースオブロックでいう47デニムなのですが

戦争の影響で偶然
期間のみ存在した
短命の
「大戦デニム」

ワンピースオブロックが使用する大戦デニムは
そんなヴィンテージ大戦デニムをモチーフに生産された
スペシャルな生地です



・戦争の影響による工場時代背景

ワンピースオブロックの大戦モデルのモデルにもなっている
リーバイス501XXですが
戦争中はとても良く売れたと言われています

その理由を説明します

もともとリーバイスのジーンズは高級品として扱われていました
作業着として最高品質を掲げていましたし
多くの消費者からもそれを認められていた存在でした
そのため人気がある商品なのと同時に
値段も他の作業着より高く
気軽に買えるものでは無かったのです

ですが
戦争の影響によって
様々な規制を命令される中で
商品の上限価格を制限されたのでした
そのためリーバイスのジーンズも値段を安くせざるを得なくなり
安くなったリーバイスは今まで以上に売れることとなり
1942年以降、過去最高の売り上げを更新し続けることとなります

そして生産が追いつかなくなるのでした

この需要に対応するために
ワンピースオブロックのモデル名にもなっている工場が新しく増設されることとなります



・工場の増設事情

先述の通り生産量を増やす決断をします

まずもともとあった
サンフランシスコのバレンシア・ストリート工場で働く
縫製工の追加募集を行います
この時は縫製経験者のみの募集だったと言われています
すぐに人員がいっぱいになり
この工場での生産可能キャパはこれ以上増やせないと判断して

2番目の工場を増設します
それが「サンノゼ」工場

1944年3月に建設開始された
3番目の工場が
「サンタクルーズ」工場
サンタクルーズはサンフランシスコから直線距離でも100kmほど離れた場所でした

現地には特に何も産業がなく労働力になる人材が豊富だったという利点がありました

別の理由としてこれ以上サンフランシスコ市民をこれ以上戦争以外の目的で使うのは良くないという意見もあったと言われています

このサンタクルーズ工場での縫製工の募集は
経験者がほぼいないことから
「未経験者歓迎」と大々的に募集がかけられたそうです

また1946年には
「バレーホ」にも工場を建設したそうです
湾を隔てているが、サンフランシスコから
直線距離40kmという距離で
米海軍の拠点があり
軍用のシャツなども生産していたそうです

以上のように
戦争の影響で
複数の工場が増設され

サンフランシスコ
サンノゼ
サンタクルーズ
バレーホ

といった工場が存在したのでした

生産スピードを上げるために
ミシン目のピッチを荒くすることで
ミシンの走るスピードを上げていました

同時に一気に工場を増やしたため
縫製工も初心者が多い環境で生産をしていました

慣れない初心者が
速く動くミシンで作業しないといけない環境だったために
最近話題になる
ヴィンテージの「荒れた縫製」が生まれたと言われています

それを表現しているのが
ワンピースオブロックの大戦モデルです



・大戦モデルの種類説明

これからは
サンフランシスコ
サンノゼ
サンタクルーズ
バレーホ
というモデルについて
それぞれ解説をさせていただきます

・サンフランシスコ San Francisco

大戦中軍事生産を行う製造作業員達が着用していた設定のモデル。
作業服の強度が求められるため3モデルの中で
一番ピッチが細かく
縫製がきれいな仕上がりになる。
クラッシックスタイルの王道シルエット。
(公式HPから引用)
大戦モデルの王道的モデル

・サンノゼ San Jose

大戦中、アメリカ軍のPX(米軍基地内の購買部)で販売された設定のモデル。
縫製のピッチが広く、縫い方も荒い仕様になっている。
股上が浅めで、僅かに細身のシルエット。
(公式HPから引用)
大戦ラインナップの中でも縫製の荒さが一番際立つモデル
このモデルにしかない荒々しさが
ワンピースオブロックのイメージと感じる人も多い

・サンタクルーズ Santa Cruz

大戦中軍事生産を行う製造作業員達が着用していた設定のモデル。
作業服の強度が求められるため3モデルの中で
一番ピッチが細かく縫製がきれいな仕上がりになる。
クラッシックスタイルの王道シルエット。
(公式HPから引用)

・バレーホ Vallejo

サンフランシスコ・サンノゼ・サンタクルーズ
の3つは結構有名でHPにも掲載される定番ラインナップとしてあるのですが
バレーホは定番ではなく
限定モデルとなっているようです

HP掲載のラインナップでもありません

明らかに違うポイントとして生地の違いがあります
他の3モデルは全て大戦生地を使っていますが

バレーホは左綾織のデニム生地を使っています
(ウエストライドのOEM製品である1945XXで使用されているデニム生地と同じ生地)
ワンピースオブロック品番種類説明一覧

ヴィンテージの大戦気のデニム自体かなり貴重なアイテムなのですが
バレーホはその中でもさらに数が少なく貴重なものになっています

生地も他工場モデルとは違うものが使われている物が確認されており
大戦期における異素材デニムを使用された時代背景を表現したモデルとなっています

→公式ブログでのバレーホ紹介
→公式ブログでのバレーホ紹介
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・各モデルの違いは超マニアック

各モデルの縫製使用の違いは
文字で書き出したりすると
本当にキリがないですし

とてもマニアックすぎる話になってしまいますので
これ以上の各モデルの細かい違いは説明できません

それぞれのティテールに
色んな理由や意味が込められていたりしますが
全てを理解することはとても難しいことでもあります

それを知りたいと思ったあなたは
深いジーンズ 沼にはまっているのではないでしょうか

小中さんと同じように
デニムの底なしの魅力を研究してみてください