ラングラーの歴史②





前回ラングラーのお話しをしました
会社の成長のお話しから
11MWの誕生のお話しまでしました

今回はその続き
ラングラーには他にも面白いものがあるのです
そんなお話しをしましょう

ラングラーが11MWを発売した次に
「11MJ」
というウエスタンジャケットを発売しました
「11MJ」という名称は
「11ozデニムのメンズジャケット」の略称です

11MWがかなり異端なデザインだというお話しは前回しましたが
この11MJもかなり今までにないデザインのものだったのです

まず
袖のカフスと胸ポケットのボタンに
「ドットボタン」(スナップボタン)が採用されました
フロントのボタンはリーバイスやリー同様、ボタンホールが空いていて、打ち抜き式のボタンで作られていましたが
袖や胸ポケットにポタンの付け外しが容易なドットボタンを使い分けたのは使い易さを追求したからでしょう




そして背中には両横に2つストラップが付けられいて
リーバイスやリーよりもさらに
ウエスト周りのシルエットを好みの形に調整できたのです

前身頃にはリーバイスのようにプリーツが入っており
プリーツを止めるのに、単純なステッチではなく
縫糸で円形に纏って、リベットを打っているような見た目と効果を作りました

そして一番特殊だと思わせくれる箇所が
両肩部分に「アクションプリーツ」が採用されたのです
バイクのライダースジャケットなどによくある仕掛けなのですが
肩と腕の付け根辺りにブリーツを作ることで
腕が動かしやすくなるのです
しかもただプリーツをつけるだけではなく
裏側にゴムをつけることで
プリーツが開きっぱなしにならないように工夫されていました
これにより
フィットした着方でも動きやすく、美しい見た目もたもつことが出来たのです

このように11MJはリーバイスやリーがやっていないような仕様のジャケットをつくりました
ボタンの使い分けもアクションプリーツも
生産でかなりの手間になります

そもそもワークウエアなのですが
ワークウエアとは大量生産の作業着で
そんなに手間をかけて作るものでもありません
ラングラーのジャケットはワークウエアの中ではこれでもかというくらいに手間をかけていたのでした




1948年
「ロデオ・ベン」という
ウエスタンウェアの有名なデザイナーがデザインしたジーンズ
「13MWZ」(13ozデニム、メンズウエスタン、ジッパー使用、の略称)
が発表されます

11MWを踏襲したモデルでした

13MWZは
「世界初のデザイナージーンズ」
と言われています

13MWZからロデオ・ベンがデザインをしたとされているのですが
ラングラージーンズが発売された1947年当初からロデオ・ベンに協力してもらっていたらしく
それが意外にも好評だったので
13MWZからロデオ・ベンを前面にアピールしはじめたと言われています

ブルー・ベル社は衣裳協力に積極的で
各地ロデオ大会のスポンサーになったりもしています

ラングラーの有名商品で
「12MJZ」
という赤色のジャケットがあるのですが
実はもともと商品ではなく
ロデオ大会の優勝者に贈っていたもので
それが評判になって商品化となったのでした

よく名前が入った赤いラングラーのジャケットを見るかもしれませんが
それはロデオ大会のチャンピオンの名前です

そんな努力もありラングラージーンズは
1975年から
全米プロ・ロデオ・カウボーイ協会公認のジーンズとなっています
ロデオ選手でラングラージーンズの愛用者も多いようです