伊藤美誠の異色な卓球が最強の理由 オーストラリアOP 丁寧 vs 伊藤美誠





伊藤美誠選手の強さの理由は
みんながやらないことをやっているからです


明らかに卓球界で異色なんです
これって簡単に聞こえるけど無茶苦茶に難しいことですよね

具体的には
ミマパンチといわれるスマッシュです

伊藤美誠と同じフォア裏ソフト、バック表ソフトの選手で福原愛がいます


福原愛も速いピッチを武器にフォアでミート系のスマッシュのような技術を使っていましたが
伊藤美誠はより速い打点とピッチで、よりスマッシュを重視する
似たようで全く異なる難易度の高いスタイル

スマッシュと簡単に口では言えますが
世界レベルでスマッシュを多様する選手はかなり稀です

理由として
トップスピンを加えるドライブは軌道が弧を描くため
安定して威力のある攻撃が可能です
対してスマッシュは直線的な弾道です
ドライブと比べ安定して相手コートに入れるのが難しい技術です

ですのでスマッシュを攻撃の軸にする選手は少ないのですが

スマッシュはその直線軌道のおかげでカウンターがかなりされにくいです
なのでカウンタードライブを武器にする選手が多い現代卓球で有利といえます

そんなスマッシュを軸にプレーする伊藤に対して
やりにくさを感じる選手がほとんどだと思います




少し話がそれますが
中国の王皓は
現在は当たり前にもなっている中ペンでの裏面ドライブを使った両ハンドスタイルの先駆者です
劉国梁 馬琳  という裏面を使う選手はいましたが
それらより徹底してバックハンドを裏面を使うというスタイルで成功したのは王皓が初めてです
王皓は中国選手同士の同士討ちで負けることはありましたが
他の中国選手と比べても対外国選手にはほとんど負けることがありませんでした
理由は王皓のようなスタイルの選手が王皓以外にいなかったため対応できなかったのでしょう
当時それだけ突出したスタイルだったということですし
他と違うことをできるということはそれだけ強いということです
スタイルはまったく別ですが伊藤も同様に独自のスタイルを持っており年々磨きをかけ尖った方向に進化させているように感じます

ドライブも十分打てるのに年々ドライブではなくスマッシュをより重視するスタイルに変更してきているように思えますし

明らかにフットワークも向上しています

伊藤美誠が右足前の件
ツッツキに対する3球目もスマッシュ
それ以降のラリーでも可能な限りスマッシュでの得点を意識しています

世界ランカーのほとんどが裏ソフトの攻撃型で
攻撃といえばドライブと言ってもいいくらいに
ドライブでの攻撃を主体にする選手が多い中で
ドライブではなくスマッシュを徹底して選ぶリスキーとも言えるスタイルの伊藤美誠

目指す方向性はかなり面白く卓球ファンとして今後の活躍をもっと見たいと思わせてくれます

オーストラリアOPで丁寧にセットオールで負けて、もうちょっとで勝てたのにと思っている人も多いと思いますが
私はまだまだ自力の差が明確にあるというように見えました
中国選手の徹底した基礎技術の精度はここ一番という場面で手堅くポイントをもぎ取る安定感があります
いくらスーパープレーで9点取っても平凡なプレーで11点取られるような、そんな印象がありました

伊藤が中国選手に負けてると言っているわけではありません

むしろスマッシュ以外でも奇想天外なプレーを繰り出す伊藤こそ中国選手に勝てる可能性を一番に秘めていると思います

近い未来
伊藤美誠のような裏ソフトのスマッシュ主戦型が世界の標準スタイルの一つになっていたりして笑

今後も今回のような楽しい試合を見せてくれるでしょう!