ワンピースオブロックを実際に見た感想

最近注目度の高いデニムブランドワンピースオブロックですが
基本的に通販はしておらず、取扱店舗も少なく、店舗に行っても在庫がない場合も多いので、実物を見たくても見れない方も多いと思います

前回はワンピースオブロックの評判をまとめた記事を書きましたが
→ワンピースオブロックの評判

今回は完全な私の主観でワンピースオブロックの実物を見た感想を書いていこうと思います

目次
○生地
・実際に見たことのある生地
・見た感想
・オリジナルに近い生地
・54デニムについて
・ワンロックで最もヴィンテージに限りなく近い生地joker生地について
○縫製
・手曲げ縫製の魅力
・縫製の大胆さ
・47モデルを見た感想
○CSFの言う「ヴィンテージの表現」とは
○まとめ

生地

・実際に見たことのある生地

ワンピースオブロックのデニムは多くの年代をモデルにした商品があります
それぞれに違うデニム生地を使い分けていて、こんな記事を書いている私も全てを見たことがある訳ではありません

実際に見たことのある生地は
37デニム
大戦デニム
47デニム
54デニム
以上の4種類です
この4種類は新品の状態を見たことはもちろん
ショップに置いている色落ちサンプル、実際に着用している方の色落ちなどを見たことがあるので、個人的な感想を書かせていただきます

・見た感想

4種類見て感想は全部同じような感覚で
一言で言うと
「特に目新しい感じはなかった」
という感想です

もちろんそれぞれ違いがあって
色落ちを楽しめる良い生地だと思うのですが

ワンピースオブロックの宣伝のやり方を見て、多くの方はヴィンテージに限りなく近い生地だと思われている方も多いのかもしれません
私もその1人です
ですがそういうことは感じませんでした

37モデルはオリジナルを見たことが無いので比較しようがないのですが
全て他のレプリカブランドで見たことのあるような雰囲気の生地です

レプリカにありがちなヴィンテージ生地の特徴を少し誇張したような感じで
デニム市場でも人気の高い、受けの良いザ・ジャパンデニムといった感想です

他のレプリカブランド同様にシンプルに色落ちを楽しむという点で見ると楽しそうな生地なので
どの種類も好きな人は間違いなく多いであろう生地感です
特に大戦デニム、54デニムは最近の流行りな感じもするので、育てるデニムとしては面白いでしょう

ですが、どんなブランドよりもヴィンテージに近い生地を期待している方には物足りなく感じるでしょう

・オリジナルに近い生地

私の主観ですが
大戦モデルも XXモデルも ほとんどのレプリカブランドがインディゴの色味がオリジナルよりも濃く作っているように感じますし、表面のザラ感も強めの生地になっている場合が多いと思います
良い意味では、それが世界中からも評価の高いジャパンデニムだと思いますし、個人的にそういうの大好きですが
ワンピースオブロックのデニム生地も、そんな感じの印象です
色落ちした印象もオリジナルヴィンテージとはまた違う、よくあるレプリカジーンズの色落ちです

そんなレプリカ生地が悪いということを言いたいのではなく
ワンピースオブロックのプロモーションを見た限りでは、縫製も生地も、ヴィンテージと同じだ、というように思っていたので
どのブランドよりオリジナルヴィンテージに近い生地のジーンズが欲しいと思う方にはオススメできない、という印象です

個人的にオリジナルヴィンテージに近いデニム生地は
XXモデルではフルカウントの13.75ozの定番生地かジェラードのラストリゾートが近いと感じています
ウエアハウスの生地も色落ちした状態ではヴィンテージに凄く近いと思わせてくれるものがいくつかあるのですが、不思議と色落ちしていない新品状態ではレプリカ感を感じてしまいますし、触った感触が明らかにオリジナルより硬く感じます

一般的によく言われることで
大戦モデルの生地はドス黒いインディゴの色味で大戦以降は青みが強くなる
とか言われますが
ほとんどのレプリカブランドはその特徴を誇張して表現した生地になっていると感じます
オリジナルよりさらにドス黒く、オリジナルよりザラつきを強く、ネップもオリジナルより派手になってる
それが日本のレプリカブランドの面白い良い生地達です
ワンピースオブロックのデニム生地もそんなレプリカらしい良い生地だと感じます

・54デニムについて

私が見た中で一番記憶に残っている生地が54デニムなので
54デニムの話だけ個別にしようと思います
他の37 大戦 47デニムは、それぞれの年代のヴィンテージ生地の特徴をリスペクトして表現したものとも思えるのですが
54デニムだけはその中では異質です
そもそも生地のオンスが16オンスです
いわゆるヘビーオンスの生地で、オリジナルの54モデルとは全く異質なものになっているのは誰が見ても明らかです
生地のザラつきも私が見た4種類の中でダントツのザラ感を持っていますし、ヴィンテージでは絶対あり得ないネップまみれの派手な生地を使っています
インディゴの色も結構濃いです

色落ちした実物も見たことがありますが
そこそこのヘビーオンスで使っている糸も太いので、かなり派手目の縦落ちです
バキバキ系の色落ちが好きな方や
エイジングを楽しむことが好きな方
にはたまらなく興奮するような面白い生地だと思います

16オンスというところも絶妙だと思います
履いた時に適度に厚みのあるしっかりした生地だと感じる良い程度の生地ではないでしょうか
これ以上にヘビーなオンスになると生地が厚すぎて履きにくく感じる方が多いと思いますし
分かりやすく派手な色落ちを苦しめず楽しめる絶妙生地だと思います

オリジナルの54年頃のヴィンテージジーンズとはまるで違う生地の表情ではありますが
デニムのエイジングを楽しみやすいキャッチーな面白い生地でしょう

・ワンロックで最もヴィンテージに限りなく近い生地joker生地について

Dシリーズのジョーカーに使用された限定生地ですが
おそらくこのジョーカー生地は結構な大戦ヴィンテージに近い系の生地なのではないかと思います

私自身実物を見たことが無く
はっきりしたことはなんとも言えないのですが
CSFのインスタやネット上で見る限り
ヴィンテージに限りなく近い生地を求める方向けに作った生地だということを感じますし
ネット上の画像で見る感じでも
レプリカでよくあるヴィンテージと比較すると必要以上に濃いインディゴの雰囲気も感じなかったので
ヴィンテージ好きが喜ぶ生地なのではないかと思っています

デニム生地ってネットの画像で見るのと
実物を肉眼でみたギャップが大きい場合があるので
ネットの画像しか見ていない私の意見はあまりアテにならないと思いますが
いままでの他の生地よりヴィンテージに近そうと期待しています

縫製

・手曲げ縫製の魅力

CSFの1番のセールスポイントだと思うのですが「手曲げ縫製」という縫製技法
よく比較される他のレプリカブランドとの1番の違いはこの手曲げ縫製による仕上がりの表情の違いだと思います

アイロンでプレスせず、ミシンを走らせ手で折り込みながら縫うので
他ブランドよりも糸が生地に食い込んでいるような表情にみえますし
ステッチの周辺がふっくらとしたような感じで、全体的にふくらみのあるような雰囲気に見えます
そういう表情がヴィンテージらしさのようです
私はヴィンテージのデットストックを間近で見たことがないので分からないのですが
とにかく他ブランドとの明らかな違いを手曲げ縫製には感じます

特にデニムジャケットは手曲げ縫製の雰囲気が分かりやすく感じれると思います
ファースト、セカンドのジャケットのリジット状態で
フロントのプリーツ部分の膨らみが分かりやすく手曲げ縫製を感じやすいと思います
ハンガーにジャケットをかけた状態をみると、手曲げ縫製による立体感を、全体的なふくらみを感じれると思います

他のレプリカプランドのデニムジャケットなどもユニクロのデニムジャケットなんかと比べると膨らみのある立体感を感じると思うのですが
ワンピースオブロックのデニムジャケットと比べると、他のレプリカがペタンとした感じに思うでしょう

・縫製の大胆さ

大戦モデルに代表されるガチャ縫製ですが
大変人気の仕様なようです

実際に所有はしていませんし
個人的に大戦モデルと言われる年代が好みとは外れるのですが
実物は見たことがあります

その感想としては
かなり激しく大胆な縫製となっていて面白いです

ウエアハウスなど他ブランドでも荒々しい縫製のモデルはあって見たことがありますが
他ブランドよりも明らかに大胆な表現となっていると思います

大戦モデルの サンフランシスコ サンノゼ の実物を見たことがあるのですが
特にサンノゼは凄まじいです
手曲げ縫製の膨らみと相待って、ステッチのピッチの荒さ、とにかく高速でミシンを走らせたであろう疾走感を感じる雰囲気は他ブランドでは感じることは出来ないと思います

以前の記事で書きましたが、この大胆さを嫌う人も多くいるようですが
実物を見た感想として、これを欲しいと思うファンの気持ちも分かる、と思いました

・47モデルを見た感想

47モデルは戦後環境が整い縫製も綺麗になったものだとCSFのインスタでも言われているのですが
一般的な「綺麗な縫製」ではないと私は思いました

おそらくですが手曲げ縫製で作る場合、アイロンでプレスして作るよりも綺麗に作るのは難しいのだと思います

日本のブランドのジーンズは縫製がかなり綺麗に縫われています
まっすぐと、生地の端に対してブレることなく丁寧なステッチを感じると思うのですが
47モデルはそれと比べると荒く感じる方が多いでしょう
47モデルは手曲げ縫製で丁寧に縫われた、ということの表現なのでしょう

他にも私が見た個体はベルトループの折って縫われている部分の
折り込んでいる側の生地が大きくハミ出て見えたりする部分もありました
他のジャパンブランドではまずないような感じではあると思うのですが
多分そういうのが「ヴィンテージの表現」なのでしょう

CSFの言う「ヴィンテージの表現」とは

私がワンピースオブロックの商品を
見て思ったヴィンテージの表現とは

ヴィンテージのディテールが〇〇だからそのまま真似をする
というわけではなく

例えば
手曲げ縫製で、どういう風な方法でやるから、こういうディテールが生まれた
というような、より深く考えて

表面の見た目ではなく
もっと深い意味で
なぜそのディテールが生まれるのか
意味や理由を考え、妄想し、勉強した上で
製作者の頭で独自の理解をして
作っていて自然にそのディテールが生まれるような
そんな製作方法、環境で作る
そういうものでは無いのかなぁと思います

それが「ヴィンテージの表現」なのでしょう、多分・・・

違ってたらすいません・・・

まとめ

私の中でもワンピースオブロックはとにかく注目しているブランドです

常に新しい商品を出し続けていて、買うことはできなくても、ネット上の情報だけでも楽いです

他ブランドがしないことに挑戦しているのは間違い無いと思いますし
ワンピースオブロックほど作り手本人が表立って情報発信をしているところは無いと思います
それによってブランドイメージも他とは異質です

作り方も売り方も特殊で派手に宣伝していて
今までの他ブランドと比べると明らかに目立っていて
賛否両論あるようですが
私はワンピースオブロックを応援しています

これまでにないような色んなデニムを見せてくれるブランドとして
今後も注目です