自転車屋の本音 安い自転車がオススメです





一番オススメの自転車は?

と聞かれると

私はホームセンターや自転車量販店で売っている一番安い1万円くらいで買えるママチャリ

1万円自転車

と答えます

↑こういうごく普通のやつです





読む人によっては極端で偏った意見に思う方もいるかもしれませんが本気でそう思っています

私は高校生のころから10年以上通勤通学で毎日20キロ以上自転車を乗っており
大学卒業後、大型自転車チェーン店で5年間働いた後、自転車で日本一周し、現在は個人で自転車屋を経営しています

今までママチャリに限らず、ロードバイク、マウンテンバイク、様々な自転車を乗り込み
メンテナンス、修理をしましたし、お客様の声も多く聞いてきました

そんな私がおススメする普段乗りの一押し自転車は
変速機の付いていない一番安いママチャリです
理由は安いうえに壊れにくく、万が一修理する時も安いからです

詳しく解説します

目次
ーーどんな自転車がいいかーー
・変速機の付いていないシングルギアの自転車
・前かご 泥除け チェーンカバー スタンド カギ が付いている自転車
ーー安い自転車がいい理由ーー
・値段が安い
・高いものと値段分の差は無い
・汎用性が高く修理がどこでも容易で安価
・壊れるときは値段にかかわらず壊れます
ーー安い自転車のデメリットーー
・カゴが微妙
・ライトが微妙
・ブレーキが音鳴りする
・フレーム剛性が低い
ーー安い自転車のタイヤ、チューブについてーー
ーー最後にーー




どんな自転車がいいか

・変速機の付いていないシングルギアの自転車

変速機は便利ですがよく故障の原因になります

変速機が無いと登れないようなよほどの坂道がある場合以外はシングルギアのママチャリがオススメです

それでも変速機が欲しい方はいると思いますので
↓こちらも読んでみてください

変速機ママチャリのオススメ

・前かご 泥除け チェーンカバー スタンド カギ が付いている自転車

これらが付いていないと自転車に乗る服装が制限されたり、乗るシチュエーションをえらばないといけません

クロスバイクやロードバイクにはこれらが付いていません

すべて取り付けると高額になりますし
せっかくの軽量自転車の重量が一気に重くなり、軽量自転車を買う意味が弱くなります
しかもそういうものに限ってすぐ壊れます

1万円自転車は全てセットでしっかりと取り付けられています

 

安い自転車がいい理由

・値段が安い

なんでも買うなら高いより安い方がいいに決まっています

余計な出費は抑えて他に必要なものを買いましょう

・高いものと値段分の差は無い

高い自転車の方が丈夫で長持ちするんじゃないの?
と思う方も多いと思います

自転車は数えきれない種類の商品があり一概に言えませんが
一番安いものと、その他の高い自転車とこれといって大差は無い思っています

ネット上では、パーツの質や組み立ての精度が悪い、と決まり文句のように書き込まれていますが、大筋間違いではありません

しかし、パーツの質は、自転車素人が理解できるほどの差は正直ありません

ネットで違いを力説している方は、高い自転車を買ってほしい自転車屋か、自転車が好きな自転車マニアでしょう

本当に?と疑う方は試乗させてもらえる店で乗り比べてみてください

耐久性についても、すぐ壊れるとよく言われますが一体どこが壊れるのか
壊れる個所も分からず適当にネットで書いている人が多いように感じます
安くてもそんな耐久性のないものは私の経験上そんなにありません

大事なのはちゃんと組み立て整備されているかです




実はこれが一番重要です
あたりまえですが、安い自転車でもきちんと組み立て、整備したものは長持ちします
逆にどんなに効果で質の高いパーツで固めた自転車でも組み立て、整備が不完全だとすぐダメになります
ですので、安い自転車でも高い自転車でも、購入してからその後、しっかり修理整備出来る自転車店と付き合う事が一番大事です

・汎用性が高く修理がどこでも容易で安価

1万円程度のシティサイクルやファミリーサイクルは圧倒的に出回っている数が多いです

すぐ壊れて乗っていて不快な1万円の自転車、そんな粗悪品がそんなに売れるはずはありません

なぜ1万円自転車が大量に出回っているかというと、それだけ使える優秀な自転車だからです

どこの自転車屋でも1万円自転車を販売していますし
その自転車のタイヤやチェーン等の補修用パーツを在庫しているはずです

もし故障やパーツ交換が必要な場合もほとんどの自転車屋で対応可能です

1万円自転車は修理を受け付けてくれないとたまにネットで見ますが、それはその自転車屋が修理技術が無かったり、自店購入車しか受け付けないような粗悪店なだけです

逆に高い自転車は高いパーツが使われていることが多く1万円自転車と比べると修理が高額になるケースが多いです

・壊れるときは値段にかかわらず壊れます

事故に合ってしまったり、乱暴に扱うと値段にかかわらず壊れます

普通に使っていて修理金額が高くなるところで
スポーク折れ修理
BB修理
などがありますが、このような修理も値段にかかわらず壊れるときは壊れます

たしかに壊れにくいパーツは存在します
たとえばスポークで例えると、1万円自転車は大抵鉄製のスポークを使っていますが、より丈夫なステンレス製スポークがあります
しかしスポーク自体の値段も倍近くしますし、重量も重くなり、漕ぐのが重くなりますので、一長一短です、全てにおいて最強なものは存在しません

人それぞれ使い方によって壊れる個所は違ってきますし
壊れて修理するときに更に壊れにくいパーツに交換して自分に合った自転車にアップデートしていくのが一番賢いと思います



安い自転車のデメリット

・カゴが微妙

1万円自転車にはほとんどがメッシュカゴというカゴがついています
ちょっと重いものを乗せ続けると、比較的早く割れてきます

カゴについても書きました→カゴについて

・ライトが微妙

ほとんどがタイヤに擦って発電する、ダイナモライトが付いています
これで漕ぐとペダルが一気に重くなりますし、音も成ります

実際使ってみて気にならない方や、夜は乗らない方ならいいですが
そうではない方はハブダイナモのオートライトに交換しましょう
自転車屋によりますがプラス4000~5000円で交換してくれると思います

もっと安くすませたい場合
タイヤに擦るダイナモライトなのは同じですがLEDライトでゴムローラーのものがオススメです
私はこれを使っています

・ブレーキが音鳴りする

1万円自転車のほとんどの後輪ブレーキがバンドブレーキ(ドラムブレーキ)というブレーキです
私は一番のオススメブレーキですが
これが合わない人もいます
↓詳しく書きましたので是非読んでください

ママチャリ後輪ブレーキについて

・フレーム剛性が低い

BAA自転車や、パナソニック、ブリヂストン等の高級自転車のフレームに比べると確かに剛性が低く、強くペダルを踏み込んだ時のパワー伝達能力は劣ります
しかし、荷物を大量に乗せる、ロードレーサー並みに速く走りたい、という方以外はほとんど関係ない範囲だと思います

剛性が云々という話は自転車マニア以外の方には理解出来ないかもしれませんが、フレームが折れたり曲がったり、という話とは全く関係ありませんのでご安心ください



安い自転車のタイヤ、チューブについて

タイヤの悪評が多いですが、そこまでの粗悪品は無いと思ってもらって大丈夫です

店で販売されている新品自転車は一定の基準審査をクリアした商品です

不良品があることもあります
しかし私の経験上、同じくらいパナソニックやブリヂストンでも不良品は存在します
万が一不良品の場合は販売店が対応しますので心配な場合はきちんと相談できる店を選びましょう

タイヤの性能はブリヂストンの高級タイヤなどと比べると当然劣りますが、世に出待っているタイヤの8割は1万円自転車についているようなタイヤです
毎日かなり自転車に乗る私は1万円自転車のタイヤを使用し半年少しで寿命が来ました、ブリヂストン高級タイヤで1年弱でした
近所の買い物に使う主婦のかたですと5年以上使う方もいます
寿命に差はありますが普通に乗る分には特に大差はありません

大事なのは定期的な空気圧チェックとタイヤ点検です

寿命や対パンク性能の差は確かにあります、しかし大きな差ではないです
少しでも良いものを求める方は後で交換し比較すると良いでしょう

中国製はすぐダメになる!という人がいますが、ブリヂストン高級タイヤのロングライフやニューマイティーロード等も中国製です
IRCやパナソニックが日本製タイヤを出していますが、私の経験上ブリヂストンの高級タイヤの方が耐久性が高いと思います、つまり中国製でも日本製でも生産国は関係ありません

 

最後に

1万円自転車のオススメポイントを書いてきましたが
完璧なわけではありません
たとえば乗り降りしやすい自転車がいいという方はU型フレームの自転車
軽く漕ぎたいという方は軽いギア比の自転車を選ぶべきです
ただ一番大事なのは買った後のメンテナンスです、
値段にかかわらず少しでも何か異常があれば放置せず、自転車屋に行きましょう